夏の季節になると、屋外で余暇を楽しむという機会も多くなってきます。それと同時に注意したいのは、蚊やアブなどの吸血害虫による被害です。

とりわけ様々なアウトドアの準備などで頭が一般だと、それらの吸血害虫の対策などはどうしても見落としてしまいます。ここでは、血を吸われた時の被害が大きなアブについて詳しくご紹介いたします。

吸血害虫アブの生態

アブとは

アブとは一見ハエにも似ていますが、アブの頭部を虫眼鏡でようく観察するとまるで仮面ライダーです。

そんなアブが、日本に生息しているだけでも100種類にも及びます。さらに、人間の血を吸うアブともなると10種類程度に限定されます。
中でもシロフアブ・アカウシアブ・イヨシロアブ・キンイロアブなどはよく見かけます。とりわけアカウシアブは、体長が2?〜3?なので日本では最大級クラスです。しかも7月〜9月頃は、アブが活発に活動をする時期となります。

川・水田・沼や湿地が主な生息地域

アブが生息している地域といえば、川のそばや水田・沼地などです。

卵は、それらの地域の植物の葉裏などに産み付けて、約1週間もあれば孵化してしまいます。その後の幼虫は、ウジ虫に似ており1年〜3年かけて成虫になります。成虫後は、寿命は1年程度しかありません。
アブは、ハエ目アブ科なのでハエの仲間になります。とくに夏の季節になると、アブに血を吸われるという被害が全国で発生します。

ただし人間や家畜がアブに血を吸われるのは、アブのメスに限定されます。その代り、アブにも昆虫や爬虫類・鳥類などの天敵がいます。

アブの様々な特殊能力

アブの飛行能力の中でも注目すべきなのは、飛ぶ速さが突出しているという点です。例えばトンボは100キロ以上のスピードで飛びますが、アブは時速145キロともいわれています。

とにかく早いので、蚊のように手でパチンと叩いて殺すということはまず無理です。

そのためアブに刺されないようにするには、長袖と長ズボンにするとか、虫よけスプレーを事前にしておくといった対策方法しか手はありません。

それと湿気の多い日や水辺は避けることが一番です。また、アブやハエの足からは粘着成分が出るようになっているので、例え垂直の壁面でも落ちることなく吸い付いて止まるという能力もあります。

ココが危険!皮膚を切り裂いて出血した血を吸う

アブは蚊に刺された位の痛さでは済まない

アブは、蚊のように皮膚にハリを突き刺して血を吸うという吸血方法ではありません。皮膚を切り裂きながら、そこから出血してきた血を吸血しようとするのでチクッとするどころではありません。

とりわけアブにはハリというものがないので、口で皮膚を切り裂きながら吸血するしかないのです。その残酷な吸血方法は、まさにドラキュラと同様の手口です。

おまけに夏の季節になると、キャンプやバーベキューなどで水辺や海辺に行くと、蚊も大変ですがアブにも注意が必要です。とくにアブは湿気が大好きなので、曇りの日や雨の日などに水辺や海辺に行く際には要注意です。

アブ対策

アブに血を吸われた場合には、皮膚が切り裂かれた状態なので蚊とは違って傷口の手当ても大切です。

例えば、傷口は細かい穴が空いた状態というよりも、切り裂かれた状態なので水でしっかりと洗浄することが大切です。その後、止血や殺菌などを行いながら傷口を水や氷で冷やすとよいでしょう。

さらには抗ヒスタミン剤などの塗り薬を塗っておくことも大切です。とくに刺された当初はチクッとした痛みだけですが、その後は痒みや腫れが2週間から3週間続くというケースもあります。その傷口から黴菌が入ると、さらに2次感染症で苦しむことにもなります。

ハエ系で危険な生物といえばヌカカも忘れてはいけません。

アブのメスやアカウシアブには要注意

どうしてアブのメスだけが人間や家畜の血を吸うのかというと、産卵前には栄養豊富な血液が必要になるからです。

おまけに牛や豚など皮膚の分厚い生き物の血ですら吸うことが可能なのだから、人間の皮膚などはひとたまりもないでしょうね。
中でもアカウシアブともなると、体長が3cm程もあるのでスズメバチ級の大きさに相当します。

もちろん例えアカウシアブに刺されたとはいっても、スズメバチ程の痛さではありませんが激痛であることには間違いありません。不幸中の幸いという表現がありますが、同じアブでもそんな大きなアブによる被害だけは避けたいものですね。

まとめ

吸血鬼ドラキュラ並みに残酷な吸血害虫・アブについてご紹介してみました。今回ご紹介した内容などを参考にしながら、アブの被害に遭わないように気を付けて下さい。