世の中には、様々な生き物がいるものです。アフリカに生息しているゴライアスオオツノハナムグリというブトシに似た昆虫も例外ではありません。

見た目は、まるで刺青をしているヤーサンのような風貌をした昆虫です。ぱっと見カブトムシにも似ていますが、カブトムシほど愛くるしくはありません。

そんなゴライアスオオツノハナムグリですが、昆虫コレクターにとってはやはり魅力があるのでしょうね。ネットを見ていると飼育している人すらいます。そんなゴライアスオオツノハナムグリについて、詳しくご紹介してみたいと思います。

ゴライアスオオツノハナムグリの生態

昆虫の中では世界一重たい

ゴライアスオオツノハナムグリは、カブトムシのようにも見えますがコガネムシ科の昆虫になります。体長は100ミリ前後なので、昆虫の中では相当大きな部類に入ります。おまけに、体重というか重さが80g〜100gもあります。

そのため世界一重たい昆虫といわれているほどです。
そうはいっても個体差というのもあるので、一番大きいとは一概には言いきれないかもしれませんね。

ちなみに二番目に重たい昆虫といえば、ゾウカブトで重量が50g前後になります。なので二番目に重たいゾウカブトと比べてみても、こと昆虫の部類ではやはり圧倒的な重たさといえるでしょうね。

ゴライアスという奇妙な名称はどこから?

ゴライアスオオツノハナムグリのゴライアスって、とても奇妙な名称です。一体何が理由でそんな奇妙な名称が付いているのか気になるところです。すると何と驚くことに、旧約聖書のサムエル記に登場するゴリアテというペリシテ最強の兵士の名前が由来なのだそうです。

確かに、旧約聖書の中に登場するゴリアテといえばあのダビデと戦った有名な兵士です。ゴリアテがあまりにも強いので、戦いを挑もうとするイスラエル兵士がいない程だったといいます。そのためイスラエルの初代王サムエルが、ダビデにゴリアテの退治を命じたといいます。

それはともかくとしてゴリアテという名前が付いたということは、誰もが一目を置くような厳つい風貌をしている昆虫ということを意味しているのでしょうね。

植物防疫法により輸入が禁止されている

ゴライアスオオツノハナムグリの飼育が、ネットを見ると所々で掲載されています。

ところがゴライアスオオツノハナムグリは、植物防疫法により輸入が禁止されている昆虫なのです。そのため過去にも、ゴライアスオオツノハナムグリを密輸して書類送検されたという事例があるほどです。

ただし、輸入が禁止されている昆虫を国内にこっそりと持ち込んで、コレクターに高値で売りさばくいう輩はどこにでもいるものです。

その最適なターゲットにされているのが、このゴライアスオオツノハナムグリなのです。ただし、闇取引の証拠集めをして検挙するというのも面倒なので、警察の取り締まりも覚せい剤ほど厳しいものではないようですね。

ココが危険!農産物に被害を与えてしまう

勝手に国内に輸入すると罰せられる

ゴライアスオオツノハナムグリは、植物の花粉や蜜、あるいは樹木の樹液を主食とする昆虫です。従ってもし日本で大量に繁殖してしまうと、農産物に多大な被害を与える恐れがあります。

それはちょうどブラックバスやブルーギルが、昔から日本に生息している魚を食べてしまい魚の生態系が変わってしまったのと同様のことを意味しています。

そんなことからゴライアスオオツノハナムグリの場合においても、植物防疫法により輸入が禁止されている外来種なのです。もちろん、死んだゴライアスオオツノハナムグリの標本を飾るのであれば問題ありませんが、生きているものを国内に公然と輸入したり持ち込んだりすると罰せられますよ。

素手で持つと危険

ゴライアスオオツノハナムグリを手のひらに載せているような写真が、たまにネットには掲載されています。そうしたことから、カブトムシと同様に危険な昆虫というほどではありません。その代り、ナイフのように鋭い体なので、闇雲に素手でつかむということは避けるべきです。

そうはいっても国内では輸入が禁止されている昆虫なので、闇取引で手に入れない限りは実際に触ることすらできません。カブトムシと同様にどうしても触りたいというのであれば、アフリカ旅行でもした時に限定されるでしょうね。

まとめ

ダビデと戦ったゴリアテの称号を与えられたゴライアスオオツノハナムグリについてご紹介してみました。昆虫博士まではいきませんが、そんな昆虫が世界にはいるということは知っていてもいいかもしれませんね。