日本から世界に目を向けてみると、実に危険な生物が数々います。例えばアリといったら、日本では全く脅威とは感じません。
ところが、ニカラグアやパラグアイなどには、パラポネラと呼ばれる危険な虫のベスト5にも入るようなアリがいるのです。おまけにその毒針に刺されると、スズメバチやサソリに刺されたような激痛に悩まされるといいます。
ここでは、そんな恐ろしいアリ・パラポネラについて詳しくご紹介いたします。
目次一覧
パラポネラの生態
熱帯雨林地帯に生息している
パラポネラは別名サシハリアリとも呼ばれており、体長が3ミリ前後もあるような大きなアリの一種になります。主に、ニカラグアやパラグアイなどの熱帯雨林地帯に生息しています。
おまけにスズメバチ並みの強い神経毒を持っているため、このアリに刺されると拳銃に撃たれたような激痛が24時間続くといいます。なので、24時間のアリとか弾丸アリとも呼ばれています。
パラポネラの巣は、地中ではなくて木の中や木の根元に作られることが多く、巣には数百から数千匹のアリが潜んでいます。ちなみにブラジルの先住民族の間では、このアリに20回程刺されることで一人前の狩りの戦士とみなすといった原始的な儀式が行われているといいます。まさに、超原始的というか文明社会では考えられませんね。
単独行動をする珍しいアリ
アリといえば、通常の場合には群れで行動することがほとんどです。ところがこのパラポネラに関しては、単独行動をしながら獲物を捕獲するという習性があります。おまけに、巣に近づく敵に対しては木の上から落下しながら攻撃をするといいます。まるで、映画に出てくる特殊部隊のようなアリですね。
そういう意味では、通常のアリというよりもハチやサソリをイメージしたほうがよいかもしれませんね。それでは、アリの中ではパラポネラが最強なのかといえば、実はもっと凶暴なアリがいるのです。
それはグンタイアリという名称のアリで、このアリは常に群れを成しながら自分よりはるかに大きい昆虫や爬虫類をも捕食するといいます。言い換えれば、パラポネラの弱点は単独行動をするという点にあります。
ココが危険!サソリよりも危険な虫として現地では恐れられている
場合によっては人間も襲われる
パラポネラは、グンタイアリのように群れで行動をすることがほとんどありません。そのため単独行動をしているパラポネラの発見が遅れると、人間でもパラポネラに襲われる可能性があります。とりわけパラポネラは、ハチやサソリのような強い毒針で敵を刺すので注意が必要です。
グンタイアリは群れで襲うアリなので人間にとっても脅威ですが、グンタイアリと1対1で戦わせるとパラポネラが勝ってしまうかもしれませんね。そのくらいに攻撃性と猛毒に関しては、通常のアリのイメージとは全く違うといえます。
パラポネラに刺された時の症状
通常のアリに刺されるというか噛まれた場合にはチクッとした痛みがあります。ところがパラポネラに関しては、スズメバチやムカデ・サソリなどに刺された時のような激痛が長時間続くというのが大きな特徴といえます。
※オオスズメバチについての記事はこちらにあります。
おまけにパラポネラは、強い神経毒をお尻の毒針から注入するというだけでなく、アゴも強いので噛む力も相当あります。そうしたことから、現地の人々の間ではサソリよりも危険な虫として恐れられているのです。
おまけに、敵を攻撃する前には金切り声をあげるといいます。この金切り声をあげるという習性については実にユニークです。しかしながら、実際に襲われるとユニークでは済まされないでしょうね。
まとめ
最も恐ろしいアリ・パラポネラについてご紹介してみました。日本では、パラポネラに襲われるということはまずあり得ません。ところが、ニカラグアやパラグアイなどに旅行に行った際には要注意でしょうね。